一番出回っているあずきの品種、えりも小豆の底力

しゅまり小豆

国産小豆の約8割は北海道で生産されています。

スーパーやネットで販売されている「北海道産小豆」とだけ記載されているのは
ほぼ間違いなくえりも小豆(あるいは交雑した品種)。

近くの農協で買い求めた少量の無農薬・有機栽培のえりも小豆。
期待していませんでしたが、今まで買った中で最高のえりも小豆でした。

上質な小豆は十勝産、と言われています。
小豆栽培に最適な産地ではあるのでしょうがやはり、
一番大切なのは作り方、栽培のしかただと再認識しました。

煮ていると香りが徐々に広がり始めてどんどん濃くなっていく、
豆が煮崩れていくとしっかりとろみが出て力強さを感じます。
途中で煮汁をすくって少し飲んでみました。
どっしり濃厚で甘みがたっぷり、これがエリモショウズなんだと瞠目しました。

一言でいえば「揺らぎなく、たくましいあずき」です。
農薬・化学肥料を使わず育て収穫から乾燥、選別と、
どれほどの手間がかかっているのか、自分でも作っているから大変さはよくわかります。
納得できるあずきに出会えて感無量です。

エリモショウズは作りやすく多収穫、寒さに強いと言われ多くの農家が栽培している品種です。
お店でそれ以外の小豆を見つけることはほぼありません。
品揃えの多いデパートなどで大粒の小豆、大納言が置いてあるくらいでしょうか。

豆類の中で小豆は私の中で特別な位置を占めています。
車で出かけた時に道の駅や直売などで、どんな味なのか興味があって小豆を買い求めます。
品種名はなく、小豆とだけ申し訳なさそうに書かれているのを見ると悲しくなります。

北海道は小豆の一大産地なのに
この扱いは何?

地域が変われどどこで小豆を買っても残念な気持ちになります。
香りが弱く、味が薄くてインパクトがない。
それは小豆だけではなくて野菜全般にも言えることではありますが。

「安心して食べられ野菜の味がしっかり感じられて美味しい」
を目標にかかげて野菜作りをしています。
こんな味にできれば、追い求めている味は、と自問しながら毎年野菜をつくる。
野菜との対話なしでは理想の野菜は作れないです。

小豆が好きで家庭菜園から卒業し畑で作り始めた時、絶対につくると決めていました。
小豆を多品種扱っている豆屋で何種類か買い求めて味を比較して
これぞと思う品種を作ることを幾度となく繰り返し、ようやく念願かなって理想の品種を見つけました。
私がほれ込んだ小豆は、朱鞠(しゅまり)小豆です。

あずきは甘く煮るだけでなく、少し硬めに煮てサラダ・スープに入れたり
ニンニクオリーブオイルに漬け置いたりして食材として使います。

おいしい煮汁はそのまま飲みますね、たいていは。
あまったらスープのだし汁や煮物にも使えます。

小豆は水に戻す必要がなく、すぐに料理できますから便利です。
昔から邪気を払うといわれ重んじられてきた小豆。
何十年も家族の誕生日には必ず赤飯を作りお祝いしてきました。
あずきとの縁は深いものがあると感じています。

 

 

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